タイトル | PARADE |
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会期 | 2024年10月23日~2025年3月3日 |
会場 | 国立民俗博物館第1展示室 |
展示概要人は、生き物は皆死ぬ。
死は、永劫の歳月の間、生き残った者たちに顔を隠してきた。 それ故に私は死がいつも不慣れだ。 死とは見知らぬ世界に向かう旅の始まりだと言われている。 死を見つめる生者の心は悲しみに満ちているが、 その旅路を共にすることはできない。 ただ、旅立たねばならない者に道連れをつけるだけだ。 どうしようもないその道の唯一の友がまさにコットゥである。 生まれるときに産婆が私を取り上げ、両親が導いてくれたように、 この世の息が終わり、あの世の息をし始める瞬間、 私を迎え、導いてくれる存在、 「コットゥ」を紹介する展示を準備した。 昔の人々は「亡くなる」という言葉を「お帰りになった」と表現した。 私たちが死んで行く場所は、結局私たちが来た場所であるという意味だろう。 色とりどりのコットゥたちと共に、 私たちの魂の故郷へと帰る旅路を行進しながら、 韓国人の伝統的な世界観と、 今や美しい文化遺産に姿を変えた展示資料を通して、 生と死について考える時間になることを期待している。 ![]() ![]() 第一部 不馴れに向き合う家族の死に直面した人々は、
亡くなった者が蘇ることを願う気持ちを込めて「招魂(しょうこん)」を行う。 故人が生前好んで着ていた服を持って屋根に上り、 故人の名前を呼びながら、すでに去ってしまった魂を呼び戻そうとするのである。 生きている者たちは、慣れない別れを受け入れなければならない。 また、故人が安らかにあの世へと辿り着けるように、 彼のための儀式を準備する。 死を迎えた人は、なじみ深いこの世を離れ、 あの世へ向かう旅路を始めなければならない。 この時、従者であるコットゥが故人を迎える。 従者コットゥは、見知らぬ場所で不安に駆られる故人に寄り添い、 あの世への旅が安らかに進むように側で支える。 神仙や仙女、仏や僧侶、巫女など、 様々な姿をしたコットゥもまた、故人を慰める。 ![]() 第二部 別れを受け入れる生きている人々は、亡くなった人を送り出し、
彼があの世で安らかに過ごせるように、さまざまな儀式を行う。 この世の恨みや不浄を洗い清め、 故人が無事にあの世に到達できるようにする「シッキムクッ(洗い清めの儀式)」がその一つである。 シッキムクッは、故人のためであると同時に、 生きている人にも癒しを与えるものでもある。 死を受け入れる際に生きている者が悲しみを感じるように、 死を迎えた者もまた苦しみを経験する。 それは、この世での縁をこれ以上続けられない無念さと、 見知らぬ場所に一人残される恐怖である。 この時、クァンデ(芸人)コットゥが故人を慰める。 さまざまな芸を披露して遊びの場を開いたり、 チャンゴや太鼓、笛を演奏して故人の心を落ち着かせてくれる。 ![]() 第三部 旅に送り出す生きている人々は、故人との別れのために葬儀を執り行う。
葬儀は、この世の家から故人を送り出すためのものであり、 遺体を土に埋め、神主(しんしゅ)を祠に祀る過程である。 故人はあの世へ向かうために華やかな喪輿(そうよ)に乗り、 この世で過ごした家や村を巡りながら、最後の別れの挨拶を交わす。 故人を送り出す人々は、別れを惜しみながら故人の冥福を祈り、 あの世で永遠に安らかに過ごせるようにと願い、喪輿の歌を歌う。 この世からあの世へ向かう道は、遠くて険しい。 護衛のコットゥは、この旅路に同行し、 故人をあの世へと案内し、危険から守ってくれる。 故人が乗る喪輿を護衛するために、 馬や虎、または霊獣に乗り、 悪い厄から故人を守るために、 険しい表情で武器を構える。 ![]() エピローグ コットゥと共に旅立つさあ!いよいよ侍従、芸人、護衛のコットゥたちが皆一堂に会し、
あの世へ旅立つ準備が整いました。 さあ、これから故人とコットゥたちを導く龍と鳳凰に出会い、一緒に旅を始めましょう。 一度は夢の中で出会ったことがあるかもしれない理想郷の世界は、どのような姿をしているのでしょうか? ![]() もう一つの話 コットゥと共に生きた人生、コットゥママ清渓川5街の骨董品店が並ぶ中の一軒で、
みすぼらしい袋に包まれ、隅に捨てられるように置かれていた一体のコットゥ、 緑衣紅裳を身にまとい、右手を挙げている女性のコットゥ。 まるで自分自身を見ているかのような気がした。 淡々とした表情の顔、地にしっかりと立っている両足、 そして片手を挙げた姿から、 私は人生の苦しみをすべて耐え抜き、心の平穏を取り戻した女性を見た。 そのコットゥは、長い間私を待っていたように思えた。 そして、久しぶりに心の慰めを私に与えてくれた。 私がコットゥを集めて部屋に置き、一緒にいるとき、 彼らが私を守ってくれているような気がした。 「私が君を生かしてあげるから、君も私を生かしてほしい」 ![]() |
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掲載日 | 2024-10-23 |